「スピード違反」そのまま逃げたらどうなる? 万が一「逃げ切れたとしても…」待ち受ける展開は
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くるまのニュース より
スピード違反逃げたらどうなるの!?
クルマを運転していると、警察官がスピード違反の取り締まりを行っている光景を見かけることがあります。
では仮にスピード違反の取り締まりから逃げた場合、どうなるのでしょうか。
警察庁が公表している「道路交通法違反の取締り状況」の統計によると、2021年中のスピード違反取り締まりの件数は106万4818件で、一時不停止の違反に次いで2番目に多い件数となっています。
スピード違反の取り締まりは、大きく分けて3種類の方法に分類されます。
1つ目が定置式の取り締まりで、道路脇などに速度計測器を設置して通行する車両の速度を測り、その先で警察官がスピード違反車両を停止させる方法です。
また、レーダーパトカーを道路脇などに配置し、レーダーで車両の速度を測ってスピード違反車両を追跡する方法も定置式取り締まりのひとつです。
2つ目は追尾式の取り締まりで、パトカーや白バイがスピード違反の疑いがある車両の後方を一定の間隔を空けて走行しながら速度を計測し、マイクで違反車両を停止させる方法です。
3つ目はオービスによる取り締まりで、高速道路や国道などの上部に設置された固定式オービスと持ち運びが可能な移動式オービスによってスピード違反車両を検挙します。
定置式と追尾式の取り締まりについては、通常、警察官が違反車両を停止させて切符を切りますが、仮に違反車両が警察官の停止要求を無視して逃げた場合、その後は一体どうなるのでしょうか。
スピード違反取り締まりから逃げると、パトカーや白バイなどに追跡される可能性があります。
パトカーや白バイが違反車両の後方に配置している追尾式の場合はもちろん、定置式の取り締まりにおいても、取り締まり場所付近にパトカーや白バイが待機していることがあり、逃げた車両を追跡することができます。
ただし、無理な追跡をおこなうと他の車両や歩行者を巻き込む危険性があるため、そのときの状況によっては追跡を打ち切り、事後に捜査をおこなうケースもあります。
つまり、たとえ警察の追跡から逃げ切れたとしても、警察が逃走したクルマのナンバーや車種、色などの情報をもとに捜査をおこなえば、後日検挙されてしまう可能性もあるのです。
さらに違反車両が逃げる際に、制止しようとした警察官をクルマではねたり、クルマを故意にパトカーにぶつけたりすると公務執行妨害とみなされ、より重い犯罪で検挙されるおそれもあります。
また、無理をして警察から逃げようとしたために信号無視や一時不停止など別の交通違反を重ねたり、他のクルマと衝突するなど交通事故につながったりする危険性もあるため、警察官の停止の指示には従うようにしましょう。
ここまでは定置式と追尾式の取り締まりの場合について掲載しましたが、オービスによる取り締まりにおいて警察から逃げることはできるのでしょうか。
オービスは正式名称「速度違反自動取締装置」といい、その名のとおり一定の速度以上で走る車両を自動で写真撮影し、記録化することが可能です。
固定式オービスと移動式オービスのいずれも違反車両のナンバー、車種、ドライバーの表情などを詳細に記録しています。
警察はオービスで記録された情報をもとに交通違反者の捜査をおこない、後日違反者に対して出頭要請をします。
オービスの写真は非常に精密であり、「自分は運転していなかった」という言い訳が通用しないため、逃げ切ることは難しいでしょう。
もし警察からの再三の出頭要請に応じなかった場合には、逮捕されてしまうケースもあるため注意しなければいけません。
筆者(元警察官はる)が警察官として交番勤務をしていた際にも、警察官の制止を無視して逃走するケースがあり、その中には飲酒運転の発覚をおそれて逃走するドライバーもいました。
仮にその場で逃げ切れたとしても、クルマのナンバーや防犯カメラなどあらゆる情報を元に捜査をおこない、検挙される可能性があることは覚えておきましょう。
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スピード違反の取り締まりから逃げたとしても、事後の捜査で警察から出頭を求められる可能性があるほか、無理に警察から逃げることによって交通違反を重ねる、他の車両を交通事故に巻き込むなど、かえって罪が重くなってしまうおそれもあります。
スピード違反で警察官に停止を求められた場合には、素直に指示に従うのが望ましいといえます。