「クルマの空調」使い方間違えると「燃費悪化」も!? 「謎の“A/Cボタン”」何のため? カーエアコンの「正しい使い方」とは
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くるまのニュース より
エンジンの力で稼働する「カーエアコン」の効率を高めるワザとは
真夏は、カーエアコンの冷房機能が大活躍します。しかしただ漠然とエアコンの「AUTO(オート)モード」を入れたままでは、燃費が数パーセント下がってしまうこともあるといいます。
そこで、少しでも効率良くカーエアコンを使う方法について紹介します。
クルマのエアコンは「送風機能」「暖房機能」「冷房機能」「除湿機能」、そして車種によっては除菌機能などが備わっています。
電気自動車や燃料電池車以外のエンジン車ではほとんどの場合、燃料がエンジン内で燃える際の熱を利用して暖房機能を働かせています。
そのため電気モーターで動く送風機能と、エンジンの熱を利用して車内を暖める暖房機能については、燃費にあまり影響しません。
しかし冷房機能と除湿機能は、エンジンのパワーを使ってコンプレッサーを回して冷やしたり除湿をするため、これらの機能を使うと燃費にも影響を及ぼすことになります。
したがって降雨時に窓のくもりを除去したり、猛暑下で車内を急速に冷やしたりする際は、燃費の悪化は避けられません。
そこで今回は、少しでもエンジンに負荷をかけない「心がけ」について紹介します。
まず簡単にできることとしては、カーエアコンの掃除をするということが挙げられます。
家庭用のエアコンも同じですが、装着されているフィルターにホコリがつまっていると風の通りが悪くなり、カーエアコンの効率が悪くなります。
もし汚れたままAUTOモードで使用し続けると、カーエアコンが「車内が冷えていない」と判断するので、必要以上にコンプレッサーが稼働し、結果として燃費が悪化してしまいます。
特にクルマの中に犬や猫を乗せている人は、エアコンフィルターに大量の毛がつまっていることが多いです。
エアコンフィルターは掃除するだけでは不充分なので、消耗品と考え定期的に交換すると良いでしょう。
ちなみに、抗菌機能や脱臭機能がついた高性能なエアフィルターほど、フィルターの目が細かいため詰まりやすいです。
特にフィルターの機能にこだわりが無ければ、目の粗いスタンダードのフィルターを選ぶか、こだわりがあり高性能なタイプを使う場合は、こまめに点検して早めに交換することでエアコンの風の抜けが悪くならず、燃費に影響が出にくくなります。
「AUTO」機能に任せっきりにしないで! ひと手間で燃費が改善可能に
クルマのオートエアコンは、AUTOのボタンを押せば常に適度な温度を保ってくれます。個別にA/CボタンをONにすることで、冷房・除湿機能(コンプレッサー)が作動します。
なかにはなるべくエコに運転できるよう、エンジンに負荷がかからないタイミングでコンプレッサーを作動させる機能をもつものもあります。
しかし燃費を気にする筆者(くるまのニュースライター HAMATARO)の場合はAUTOに任せっきりにせず、自身でもこまめに調整するようにしています。
たとえばそれほど外気温が高くなく車内が暑いといった場合、すべての窓を全開にした状態で、切り替えスイッチを「外気導入」モードにし、A/CボタンはOFFにします。
こうすることでコンプレッサーが作動しないため、単なる送風機のような感覚でエアコンを使うことができ、燃費の悪化を避けることができます。
また外気温が高い場合は、なるべく上り坂ではA/CボタンをOFF、下り坂でA/CボタンをONにして利用しています。
上り坂ではそもそもエンジンに負荷がかかっており、そのうえにコンプレッサーの負荷がかかると、エンジンの回転効率がさらに悪化してしまいます。
逆に下り坂であれば、アクセルをOFFしていればエンジンへの燃料がカットされているので、実質的にタイヤの回転力でコンプレッサーを回すことができ、燃費へ影響することなく冷房機能を使うことができます。
ちなみに軽自動車やミニバンなどで多人数乗車している際、上り坂でパワーが足りない時は、やはり同様にA/Cボタンを一時的にOFFにすると、加速が少し良くなることがあります。
コンプレッサーを作動させると数馬力分のエンジンパワーを使ってしまうので、このようなことが発生するわけです。
なお最近では、後席用のエアコンを装備したミニバンやSUVが増えていますが、前席しか使用していない場合は作動を止めておくことも燃費対策には効果的です。
※ ※ ※
しかし年々ひどくなっている猛暑に対して、燃費が悪くなるからといってエアコンの冷房機能を使わないということは、熱中症対策や健康のためにも避けたいところです。
そのため、効率的なエアコンの使い方とともに、ちょっとした「ひと手間」をかけることで、夏場の燃費の悪化を低減することができます。
例えば、外出先ではなるべく屋根のある駐車スペースに駐車するようにし、車内の温度が上がらないようにするという工夫や、リモコンキーやコネクティッド機能を利用し乗り込む前に窓を全開にして、外気温レベルまで車内の温度が落ち着いてから乗車をすることも効果的です。
また冷房機能を作動させて車内温度が外気温以下になったら、外気導入モードから内気循環モードに切り替え、効率よく冷気を車内に保つようにすることも可能です。
燃料価格が高止まりしている中、夏場の燃費の悪化を気にしているドライバーは、ぜひ試して欲しいところです。