「ウインカー」は右に出す? 左に出す? 先に行っちゃっていい? 迷った時の最適解とは
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ベストカーWeb より
長年運転していても、あるシーンで「どっちだっけ?」と迷うことはある。例えば「どっちのウインカーを出す?」「ここは先? 後?」など。そこで今回は迷った時の最適解について。
文/山口卓也、写真/写真AC、イラストAC
■ウインカー、どっちに出す問題
側道から本線車道に入る時、「右ウインカー? それとも左?」で迷うことがあるだろう。高速道路への本線車道に入る場合は、自分のいる車線は加速車線、つまり付加車線にいる状態となる。
どちらのウインカーを出すのかは、そこが付加車線か交差点かがわかればいい。付加車線であれば右、交差点であれば左だ。
■付加車線の場合
付加車線とは、高速道路への合流に見られるような「本線車道にすり付けられる形」で接続している道路のこと。本線車道に少し並んだ形で、“道路の側面が接続”しているアレだ。
高速道路以外に自動車専用道路の合流などでも見ることができるが、この場合自車は右側にある本線車道に「車線変更する形」で合流するため、右ウインカーを出すことになる。
■交差点の場合
交差点とは、T字や十時のように、2本以上の道路が交わる部分のこと。左折なら左ウインカー、右折なら右ウインカーだ。
逆Y字(言い方が難しいが)の側道にいる場合、一時停止の停止線や標識がある場合や“止まれ”の道路標示がある場合、ここは交差点。ここを左に曲がるので左ウインカーを出すことになる。また、側道入口に“交差点あり”などと書かれている場合も同様だ。
■ハンドルを切る方向にウインカーを出す!
しかし、筆者はこのような逆Y字の場所を月に数回通行するが、左に出すドライバーもいれば右に出すドライバーもいる。なかには「どっちかわからない……」のか“出さない”というドライバーもいて、「確かに迷うよね……」と毎度感じている。
そんなドライバーに、「ハンドルを切る方向にウインカーを出せばいい」と教えてあげたい。
この方法なら、「ここは交差点? 付加車線?」で迷わない。となると、いつもの例の場所は左ウインカーなのだが、「それじゃ本線車道を後方から進んでくるクルマに見えないよね」と思うだろう。
でもしかたないのだ。これが道路交通法上の正しい合図なのだから……。
ただ、私も確かに「ウインカー、見えてるかな?」と思う。なので、私自身は左にウインカーを出し、運転席横のサイドウィンドウを開けて右手を出して「今から入ります!」の意思表示をしている。
■合流時、先頭まで行って入るのはどうなのか?
渋滞時の加速車線から本線車道への合流や、高速道路で前方が工事中のために隣の車線へ合流するときなどに「手前から入ったほうがいいのかな? 一番奥まで行って合流したら”こいつズルしやがって!”とか思われないかな?」と合流時のタイミングに迷うドライバーは多いようだ。
だが、渋滞の場合は合流ポイントの先頭まで行って、1台ずつ交互に合流してかまわない。この合流のやり方は「ファスナー合流」または「ジッパー合流」と呼ばれ、全国の高速道路を管理・運営しているNEXCO もこのやり方を推奨している。
■渋滞時はファスナー合流で問題ないが……
「いたるところで合流すると流れが悪くなるから」と言われれば、確かに理解できるし最も合理的だが、高速道路で工事などによって車線減少する場合の合流はどうなのか?
この場合は工事地点から何kmか手前から告知され続けており、工事箇所直前で無理やり合流するのを「ファスナー合流だろ?」と言うのは違うだろう。
工事箇所直前で無理やり合流するのは、「とにかく1台でも先に入りたい!」の思いがありありだし、強引に入られたほうがイラッとする気持ちもわかる。
何より、この行為によって合流される側の車線のクルマがブレーキをかけ、それが後方に連鎖することでスムーズに流れていた車線の流れが滞る可能性もある。
ファスナー合流が推奨されているのはあくまで“渋滞時の合流”。その先が工事などで車線減少の際には、「クルマが流れている場合は早めに合流、渋滞していたらファスナー合流」を基本としたい。またその際は、時には自分が渋滞側の場合で合流する側の場合もあるのだから、「お互いさま」と考えて譲り合う気持ちを持ちたい。
■狭い山道、上りと下りはどっちが優先?
センターラインのないようなかなり狭い山道では、対向車同士のすれ違い時に「こっちが行ったほうがいいのか、あちらを先に行かせるべきか……」で悩むことがある。
そばに待避所がある場合は上り下りに関係なく、待避所に近いほうがそこにクルマを動かして待つべきだが、道路に勾配がある場合は上り下りに“優先”ってあるのか?
■上りのクルマに道を譲るのがマナーだが……
実は、道路交通法に「上り側が優先である」との記載はない。だが、上りのクルマが停車→発進する時には車体が下がって事故を誘発することも考えられるため、勾配のある道では下りのクルマが上りのクルマに道を譲るべきといわれている。
これは坂道発進に少々技術が必要なMT車が多かった時代の名残りといえるが、AT車であっても勾配が急だったりするとブレーキペダルから足を離した瞬間に後ろに下がる場合があるので、通常時は上りのクルマに道を譲るほうがトラブルは起こりにくいといえるだろう。
とはいえ、勾配がある上にカーブにさしかかっていて、相手が運転に自信がなさそうに見える下り側ドライバーで「先に行ってください」と言われたなら、先に行ってあげるくらいの配慮はもっていたいもの。
■崖側、山側の場合は“山側が先”に行くほうがいい
山沿いの道路の場合は、相手が崖側であれば、上り下りに関係なく山側のこちらが動いたほうがいい。
崖側の相手を先に動かすと、接触に注意を払うあまりに崖を踏み外して転落の恐れがあるからだ。それよりも、山側のこちらが通り過ぎた後に、心と道幅に余裕を持って山側に寄せるように進行できるようにしてあげたほうが安全!
そのためには、お互いの意思疎通は正しく行いたい。運転席に座っていては、ウィンドウ越しのサインなどが意外とわからない。パッシングしてもそれが「行ってください」なのか「こちらが行きます」なのかがわかりにくい。そんな時は一度運転席から降り、「先に進みましょうか?」など“正しく”意思疎通できるドライバーでありたいもの。
今回は「迷った時の最適解」について。道路交通法で決められているものもあるが、今回の話には「マナー」もしくは「配慮」といったものもある。
クルマに乗っていても「思いやりの心」「譲り合いの心」は忘れたくないですね。