「うわっ…シート、汚すぎ…?」 洗車はするけど…車内清掃はしてますか? クルマのシートを清潔に保つための「お手入れ方法」とは
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くるまのニュース より

クルマのシート清掃で押さえておきたいポイントとは
クルマを掃除する際、洗車は定期的におこなっていても、車内の清掃にまで意識が及ぶことは少ないかもしれません。
とくにシートは毎回使用するパーツでありながら、外装ほどの汚れが目立たないため、清掃の優先順位が下がりがちです。
しかし、実際にはシートにも汚れは蓄積しており、適切な方法でのお手入れが求められます。
クルマのシートの汚れが見過ごされやすい理由には、いくつかの要素があります。第一に、汚れが視覚的に分かりにくいという点です。
ボディ表面の汚れは光を反射して目立つ一方で、シートの汚れは繊維の奥に入り込んでいるため、日常的に気づきにくくなっています。
また、シートには汗や皮脂、ホコリ、飲食物のカスなどが付着しますが、すぐに不快な状態になるわけではないため、つい掃除を後回しにしてしまう傾向があります。
シートの汚れがひどい場合、専門業者に依頼することで高い効果が期待できます。
それでは車内清掃の専門業者に依頼した場合、シートの汚れはどのように取り除かれるのでしょうか。とあるカーコーティング専門店の担当者は次のように話します。
「汚れが目立つ場合には市販の大型カーペットクリーナーを使用して清掃したり、シートを分解して内部まで洗浄します。
また、飲み物がこぼれた場合などには、シートの内部構造に入り込んでしまうため、シートを分解してシミを取り除かなければなりません」
一方で、業者ならばこのように丁寧な清掃がされますが、家庭で応急処置をしなければいけない場合は何をすればいいのでしょうか。
シートの汚れを自分で落とす場合、まずは掃除機によるホコリやゴミの除去が基本となります。この際、注意したいのが掃除機の選び方です。
手軽な充電式掃除機を使っても、砂や枯葉などはマットやシートにしつこく絡みついており、吸引力の弱いモデルでは十分に除去できないことがあります。
とくにシートの隙間や縫い目に入り込んだゴミをしっかり吸い出すには、吸引力の強い家庭用掃除機を延長コードで使うなどの工夫が必要です。
また、自宅で電源の確保が難しい場合には、コイン洗車場の業務用掃除機を活用する方法もあります。
これらの掃除機は強力な吸引力を備えており、細かいホコリや砂までしっかり吸い取ることができます。
さらに、掃除機にはロングノズルを装着しておくと、座面の隙間や背もたれの奥まで対応でき、より丁寧な清掃が可能になります。
掃除機でホコリなどのゴミを除去したあと、次に行いたいのがシートの拭き取りです。
表面の軽い汚れであれば、水で濡らして硬く絞ったウエスでシート全体を拭き取るだけでも十分です。
この際には吸水性に優れた化学繊維のウエスを使うと、汚れが効率よく取り除けるだけでなく、乾燥も早まります。
また、シートバックやサイドも見逃さずに拭くことで、全体的に清潔感のある仕上がりになります。
シミや目立つ汚れがある場合は、中性洗剤を水で薄めた溶液を使って対応します。ウエスをこの溶液に浸して硬く絞り、汚れの箇所を丁寧に拭き取ります。

頑固なシミはどうすれば? NG行為は何がある?
また、蒸しタオルを使ってシミを浮かせてから拭き取る方法も効果的です。
この工程をおこなったあとは、必ず十分に乾燥させることが必要で、水分が残るとカビや臭いの原因となるおそれがあります。
一方で、車内清掃には注意点もあります。
よく見られるNG行為の一つが、アルコールを含んだクリーナーや除菌シートを使ってしまうことです。
新型コロナ禍以降、アルコール消毒が習慣となったことで、車内でも同様の清掃をする人が増えましたが、実際にはこれは危険な行為です。
ダッシュボードやセンターコンソールなどに使われているプラスチックや塗装面は、アルコールによって表面の塗料が剥がれたり、変色するおそれがあります。
とくにポリカーボネート製のメーターカバーや、合皮製のシート・ドアトリムなどは、アルコールに弱く、わずかに拭いただけでもダメージを受けることがあるため注意が必要です。
また、掃除機を使う際も、ノズルを強く押し当てたり、無理に引っ張ってしまうと、シートの生地を傷つけたり、繊維がほつれてしまう可能性があります。正しい道具選びと、力加減を意識して作業することが求められます。
また、シートの清掃をする際、そのコンディションにも注意が必要です。
新車と中古車では、シートのコンディションが異なるため、同じ方法で清掃するのはリスクを伴う場合があります。
とくに経年劣化が進んだ中古車では、繊維が弱っていたり、表面が擦れていたりすることがあるため、水拭きや洗剤の使用も慎重におこなうべきです。
※ ※ ※
一方で、新車は素材の劣化が少ないため、やや強めの拭き取りでも問題ないことが一般的ですが、それでも素材に合わせた洗浄法を選ぶことが大切です。
ファブリックシートであれば中性洗剤が使用できますが、人工皮革や本革の場合は専用のクリーナーを使用しないとシミや色落ちの原因になることがあります。
車両の年式や素材に合わせた適切な清掃手順を踏むことで、シートを長く美しい状態に保つことが可能になります。